「きみの瞳が問いかけている」2020年製作の日本映画です。
きみのひとみ・・・でなくて、きみの瞳(め)が問いかけていると読むそうです。
吉高由里子さん、横浜流星さんがダブル主演を務める本作は、
不慮の事故で視力と家族を失うことになった明香里（吉高）と、
罪を犯しキックボクサーとしての未来を絶たれた塁（横浜）が
織りなす切ない純愛ラブストーリーです。
どうも年を取ってくると、純愛ものをあえて観たくなります。
純粋に誕生して、
純粋に死ねればそれで良いのかもしれません。
まずは吉高由里子さんの演技の上手さに惹きつけられました。
さすが、THE女優！といった感じです。
目が見えない状態から視力が回復して目が見えるように
なっていく微細な感情表現が素晴らしい。
あとは全体的に絵の撮り方が僕は大好きでした。
日常生活の中、突然の何気ない出会いから、
時間の経過と共に惹かれあっていく、非日常への拡大。
いいぞ、「純愛」
何といっても音楽がしっくりきますね。
自分は特別にBTSフリークではありません。
しかし、主題歌に「Your eyes tell」という曲が使われているのですが、
これが「純愛」にドンピシャ。
美しくて切ないメロディラインが、
完璧なタイミングでカット割りに挿入されています。
「BTS」のJUNG KOOKが作曲し、本作を観て書き下ろされたとのこと。
グクの感性も素晴らしいですね。
「なぜ、こんなにも涙が溢れるの」という問いかけに始まる
深く胸に刺さる歌詞にリンク。
明香里と塁との出会い。
ささやかながらも幸せな日々を大切に思う様子や、
明香里の笑顔を守るために、塁が選んだ決断が・・・
二人が見つめ合うシーンはお互いの気の流れが
やさしく、そして激しく伝わってきました。
あとは本作をどうぞ。
自粛続きの日々の中において、
邦画によるやさしい刺激が何より栄養剤となりますね。
映画はあらすじばかり観てもダメですね。
他人の評価に惑わされることなく、
しっかりと自分の瞳(め)で全編をじっくり観ていくことが大事。
湧き出てくる自分の感情にしっかりと
向き合うとストレスは緩解します。
多忙な日々に「映画」のうるおいは必要です。
