活動記録

施術家 吉田正幸のブログ

「技バカ」になるな!!!

           

独立起業の成功率と失敗率はどのくらいでしょうか?

一般的に日本では、起業してから年数が経つごとに廃業するパターンが多くなります。一説のデータによると、起業して生き残る確率は以下の通りです。

  • 1年後:約40%
  • 5年後:約15%
  • 10年後:約6%
  • 20年後:約0.3%
  • 30年後:約0.02%


20~30年後の場合は、年齢により継続が難しくなった結果、事業をたたむ方もいるかもしれません。

しかし、5年後で約15%の生存率になるため、実質100社中15社のみが生き残る計算になります。

残りの85社は、ビジネスをたたむ結果につながっているため、現実的には相当厳しいということになります。

自分は独立して20年経過していますが、現在順調中です。データでは0.3%ということなのですが・・・。

特別意識したことも無く実感はありませんが0.3%と聞くと本当かな?とかおもいます。

整体院として独立開業してから順調にこれたのは、単に手技だけではなく、起業する前に勤めていた医療機器メーカーでの営業職が役に立っています。

その医療機器メーカーでの仕事は大手テナントで現地販売をしていく過酷な仕事でした。

一日120名から200名以上の方々が来場していましたが、ひとりづつカウンセリング&プレゼンテーションしていくことが主な仕事でした。

この体験が整体院として独立開業してからかなり役立っています。

病気の詳細、慢性症状のある方へのカウンセリング、励ましや受け入れ方など、手技以外のほとんどの予備知識を得ることができたことはとても大きいです。

おかげ様でオープンしてから“集客”には全く困りませんでした。

さて・・・・・本日のお題は、「技バカ」になるな!!!です。

技バカとは一体何でしょうか?
ここでは、自著の「集客革命」からの引用です。


「技」とは、独立開業した後で食っていくための「職」のことだ。治療院業界で言えば、例えばカイロプラクティックのスラストテクニック、鍼灸のツボを抑え針を打つ技術、さらに柔道整復師(接骨院)、指圧、マッサージなどなど、それぞれの手技にそれぞれの技術(技)がある。会社勤めを辞めて独立開業しようと言う場合には、大半がこうした技術や資格、すなわち「技」を手にすることが大体の場合、前提条件になってくる… .ラーメン店なら、ラーメンが作れなければ話にならない。税理士事務所なら、税理士の資格を取らないことには独立などできない。.であれば、様々な資格はもちろん、豊富な知識や経験が不可欠だ。つまり独立開業して商品として提供できるもの、あるいは仕事をこなしていくための武器となるものが「技」なのである。それはどのような業種でも同じようにあるはずだ。退職して自分の名刺に会社名がなくなった時、ただ会社を作っても仕事は来ない。当たり前である。サラリーマン時代には純粋な「私」はなかったけれども、起業して独立開業してからは「私が何であるか」「私の起こした会社が何であるか」を飯の種にしなければならない。したがって、起業を準備するすべての人が「技」の獲得を万全にしておこうと考えるのは当然である、しかし現実の厳しいところは、「技」だけでは決して成功できないと言う点にあると、私は考えている。いくら良い商品があっても、最高の技術があっても、森羅万象の知識があっても、あるいはまれに見る動物的なかんを持っていたとしても、それだけでは成功できないのだ。例えば5年で廃業した85%の人達はつまり私は単なる「技バカ」だったのではないか、と考えるわけである・・・。

「集客革命」現代書林刊 吉田正幸著


「整体の技術」と「 「整体院の経営」は全く別のパワー

プレーヤーであり、マネージャーであり、モチベーター、この三つの感覚を持っていなければ整体院・サロンでの独立起業は難しいと思います。

自分は医療メーカーに7年勤務しておりました。

毎日120名ほどのお客様と膝を合わせてカウンセリングをしていろんな発見がありました。

病気や痛みに対する生のお客様の声、症状に対する生の声、これをたくさん聴けて、そしてそこから様々なリサーチをして知識を得たことが整体師として独立するときに大変役に立ちました。

あとは何よりひとりひとりに対して“真剣に聴く”という姿勢も確実に必要なのだということも体感しました。

何より実際の病気にかかってその症状の経過状態を細かく直接本人から聴けるのですから願ったりです。

そして、その人の日常生活での苦しみや痛みがどのようにクオリティーオブライフを低下させてしまうのかを具体的に知ることもできました。

例えばリュウマチは単に痛い・・・から大変なのではなく、もし主婦がリュウマチになったならば、雑巾は絞れない、スプーンやお箸で食事をするときも一瞬の安らぎもなく痛みが毎秒襲ってくるという現実です。

これらの経験は独立起業時~立ち上がり、そして今、現在も大いに役立っています。

病院は診断と検査をしてくれます。まずはしっかりと検査をしてもらって、診断結果を考慮してから施術に取り掛かることの重要性も学べました。

技術のみの追求を相手へのお役立ち以前に暴走させると単なる「技バカ」になってしまいます。

「技バカ」にハマると・・・「人が来ないのは自分の技術が未熟だから」とすべて自分の手技のせいにして、自分に言い訳する自分にしか成長できません。