2013年から小学館「ビッグコミック」にて連載開始した石塚真一さんの人気ジャズ漫画「BLUE GIANT」のアニメ映画化です。
電子版で全巻読みましたが、「音が聴こえる漫画」という感じがピッタリ来ます。
サックス演奏の迫力に押されて、タブレットのタップを連続で叩いてページをめくってしまうほど入り込みました。
まるでドラムを「叩いて」読んだ感覚でした。
しかし、映画では、サックス演奏が実際に聴けるというだけでワクワクしました。漫画の「無音状態」からどんな感じで外側の「有音状態」へ飛び出すのか。
BLUEGIANTはアニメは一切放映されていませんので尚更です。
内容はとてもシンプルです・・・・
・・仙台に暮らす高校生・宮本大はジャズに魅了され、毎日ひとり河原でテナーサックスを吹き続けてきました。
卒業と同時に上京した彼は、高校の同級生・玉田俊二のアパートに転がり込みます。
ある日、ライブハウスで同世代の凄腕ピアニスト・沢辺雪祈と出会った大は彼をバンドに誘い、大に感化されてドラムを始めた玉田も加わり、3人組バンド「JASS」を結成します。
楽譜も読めずただひたすらに全力で吹いてきた大と、幼い頃からジャズに全てを捧げてきた雪祈、そして初心者の玉田は、日本最高のジャズクラブに出演して日本のジャズシーンを変えることを目標に、必死に活動を続けていきます。
主人公・宮本大の声を人気俳優の山田裕貴が担当。「東京リベンジャーズ」や「one-piece」にも出てますね。
沢辺雪祈を間宮祥太朗、玉田俊二を岡山天音が演じています。
「名探偵コナン ゼロの執行人」の立川譲が監督、原作の担当編集者でストーリーディレクターも務めるNUMBER 8が脚本を手がけ、「幼女戦記」シリーズのNUTがアニメーション制作を担当したとのことです。
少しアニメーションのぎくしゃくした動きが気になった、なんてレビューも観ましたが、自分は「攻殻機動隊 SAC_2045」で慣れていたので、全く気になりませんでした。
やはり、映画館という閉鎖空間での突き抜けるようなサックスは最高でした。
まさにこのBLUEGIANTは『映画館』で絶対に観るべきです。
世界的ピアニストの上原ひろみさんが音楽を手がけ、劇中曲の演奏も担当したということなのですが、とにかく、ラストが凄い。
観終わった後、調べてみると、エンドロール曲用に、上原ひろみさんは作品と同名のオリジナル曲「BLUE GIANT」も書き下ろしていたということでした。
これは、“JASS”のレコーディング中に浮かんだイメージをもとに作曲されたナンバーだそうです。
作品を締めくくるに相応しい感動的な仕上がりとなっています。
この曲に関して上原さんは次のように語っていました。
「この映画のレコーディングをしていた時、急にこのメロディーが頭の中に降りてきて、夢中で五線紙に書き留めたのを覚えています。『BLUE GIANT』という作品にインスパイアされ、スタジオにいたその日に出来上がった曲です。その環境下でできた曲なので、この曲を『BLUE GIANT』と呼ぶことにしました。」
とコメントしています。
宇宙から舞い降りた
≪直感≫を正確にアーティストがキャッチして表現した作品だと感じます。
アニメーション、音楽、声優の素晴らしい三位一体を
ぜひ体感してみてください。
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