日 記

スルーな日記

スルーな日記 2020年6月9日


いきなり3冊をまとめてドカッと娘に手渡された。

「読んでみ。」この言い方と自分が読んだ小説を父に渡すのがそんなに快感なのか、ついこの間までチッチャかった娘が何故か気高く見えた。この人には逆らえない。

「なに?これ。」手渡された3冊の本・・・・小説で文庫本。いつの間に読んでいたんだ・・なんて思いながら一番上にある一冊を手に取ってみた。
「!?つ、、辻 仁成!?」・・・ツジヒトナリ、まったく興味が無かったし、同年代のオヤジで、昔はバンド?で歌っていた人・・・・・・ちやほやされてるミュージシャンが本書いた・・・くらいの認識だった。(すいません) なので、しばらく読まなかった。

特に新型コロナの引きこもり事情もあって、読書中の本を後回しにし、娘に手渡されたそれらの小説をペラっとめくってみた。どうせ女子高校生が喜びそうな恋愛小説なんだろう・・・・くらいの気持ちで。その小説を仕事の隙間時間に読んでみた。

しかし、気づくとこの小説の隙間時間に仕事をしてしまっている。段々と時間配分が逆転した。読むスピードが加速していく。結構、面白い・・・。それは恋愛小説・・・なんだろうけれど、自分自身が主人公になり切った感覚になってしまった。

このアホな性格はどうにもならん(笑)一冊目の題名は「サヨナライツカ」・・ふん! 気障な題名だ。う?確か映画にもこんな題名あったかな・・。なんて感じで読み始めたのだが、なんか様子が違う。想像していたのと全く違う。

2002年出版・・・でも新鮮!!


読み始めてすぐに ミュージシャン でなく、小説家だろ、この人って、と思うくらい文章が上手だと驚いた。惹きつけられる。検索してみると・・・作家・辻仁成って出てきた。ありゃりゃ、。

僕は余りにも無知だった。今まで作家として氏の経歴をあまりにも知らなさ過ぎた。そんなことを感じながら「サヨナライツカ」の世界へハマっていく自分。自分自身が主人公の豊になった感覚で董子と光子の間に彷徨った。バカみたいに素直な自分がいやんなる。ハマると感覚は主人公。実際に複雑な恋の真っ只中。

人を愛するというシンプルで大切な感覚がヒシヒシと伝わってくる。途中の性的描写もまるで皮膚感覚が伝わってくるような言葉の表現。

まるで浮遊恋愛感覚のアルマジロ。しかし、ふと気づくとこれを娘が読んでいて、すごく「よかった。」なんて伝えてくること自体にどきマギするオヤジ感覚も重なっていく。まぁ、なんか、変で妙な感じだ。

時間の経過がこの小説のポイントだって感じた。小説の世界は時間を自由に操作できる特殊な創造職。二人の女性と一人の男性が直視する現実の合理性の中にまっすぐなイノセントの武器がそれを破壊していく。

愛の表現の積み重ねが記憶の中に生きていて、そして、目の前の現実をかろうじてこなしていく感情の偏差。キッツいね、これは。

フィジカルな行為を重ねるとスピリットへも強く影響する。筋トレと一緒。カラダがガッチリして筋肉で覆われると精神も強くなる。それと一緒。欲望の反復された行為は純粋なイノセントを引き寄せたか。

僕はもうすぐ終わってしまうサヨナライツカの道端の隅っこで泣いてしまった。

小説を読んで、初めて泣いて・・・しまった。クヤシイ。
生まれて初めて紙を見て泣いた。
小説を読んで涙を流すような女々しい感情に偏見を持っていたからね。自分よ、更に素直にならんと。

その日を境に辻仁成氏のBlogを読んでいる。
お風呂の中で。毎回思う、「コイツに泣かされた」と。

氏のBlogを読んでいると日常生活の徒然にとても安堵する。これが作家というやつか。ちゃんと息子さんと向き合って、相手にされずに(笑)まっすぐ生きてるんだぁ、なんて。
僕も娘に相手にされないときはなぜかこのBlog読んで共鳴したりね。オヤジの共鳴。

僕は辻仁成のファンになった。いや、なってしまった。上手だね、辻さん。

同年代なのでときおり「わかるなぁ」なんて感覚がとても心地よかったりで。

読み終わって、娘にすぐに「読んだよ。」って言ってみた。「よかったよ」とだけ言ったら娘は、
「でしょ、イイでしょ。」って満面の笑みで跳ね返してきた。
内容のことには一切触れなかったが、小説を読んで初めて泣いたのがこの「サヨナライツカ」だと娘が何気に白状した。

僕は少しハッとしたけれど、平静を装って、「へぇ~」と返すのがやっとだった。
娘が泣いたんだ。。

勇気を出して「実はパパも泣いてしまったよ。」と言ったらニコッて笑顔で返す娘。

自分はこわばる表情筋そのままでニコッと返せなかったけれど、
なんか、嬉しい。

くっそ~、次も読んでみよ。娘のおススメ。


ABOUT ME
ヴィッシュ吉田
JPMA日本理学手技療法協会 代表理事 フィットバランス療術学院 東京校学院長 株式会社ヴィッシュブレイン 代表取締役

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