日記

スルーな日記 2021年5月12日

触覚1

施術というこの仕事は触覚が発達してきます。

カルテを準備していて一枚一枚名前を追っていても背中や腰の張りや筋肉の硬さを思い出し、施術の記憶が触覚によってフレッシュバックします。

電話で予約が入っても一度施術していれば触れた感覚を思い出し、メールやLINEでのやり取りでも患者さんの顔や声よりも先に手のひらから思い出す感覚が強くなりました。

触覚の記憶力ってすごいもんです。

明日の施術の準備でカルテの名前を見た瞬間に顔と触覚が一度に脳裏にやってくる感じです。なので、明日はどんな状態なのか、前回に比べて筋膜や筋肉、関節の可動域などどのように変化したのか気になります。

触覚は鮮明に記憶に残る気がします。

娘がまだヨチヨチ歩きの頃、良く抱っこしました。かわいくて可愛くて抱っこして、ぎゅゅゅぅと抱きしめた記憶・・・それは今でもリアルに覚えています。記憶というものに触覚の感覚はしっかり刻まれるのでしょうか。

優しい純粋無垢な“手”こそ神の手

その娘ももうすぐ18歳。勿論、今ではぎゅゅぅっと抱っこすることなんかなくなりましたが、チッちゃい時のあなたは可愛くて、ぎゅゅぅっとよく抱きしめたものだよ、なんて話にでもなれば映像や視覚、よりも鮮明な触覚の記憶がフラッシュバックするのです。腕から胸にかけてのぎゅゅゅぅっと抱きしめた感触が何よりも先に思い出されます。

触覚は記憶に刻まれます。

長くこの整体という仕事を続けてくると出会いも沢山ありますし、別れもあります。

開業してから5年目くらいだったと思います。オープンして間もなくご来院された当時60歳代の女性でしたがほぼ定期的にしっかりと通っていただき僕やスタッフにも気軽にいろいろと話してくださった姿がとても印象的でした。しばらくお見えにならないなぁ、そう思っていたら一本の電話が鳴り、電話口に出てみるとその方の娘さんでした。

「お忙しい中、突然のお電話申し訳ありません。そちらで長くお世話になった〇〇の娘ですが、
母が亡くなりました。」

僕は一瞬言葉を失いました。当時はスタッフも多く、患者さんも200名ほど常時来院していたのでワイワイガヤガヤといった院内の音が静寂に包まれ、数秒ほどでやっと話せた記憶があります。

お悔やみの言葉をお伝えすることができました。

「母が亡くなる前にそちらの整体院には本当にお世話になったのでお礼をお伝えしたい・・・
と言っていたのでご連絡させていただきました・・・。」

僕は施術中の患者さんに少しだけ待ってくださいと伝えて電話口に出たのですが、何を伝えてよいやらとにかく時間がゆっくりと流れて結局はお悔やみの言葉を何度も伝えただけでした。ただただ、残念で胸が痛くなります。リンパ節の癌だったということでした。

その電話を受けた瞬間も、そして17年以上経過してこのBlogを書いている今でさえ触覚はしっかりとその方との記憶を繋いでくれています。

触覚指
触覚は時間を超えますかね・・・

触覚は長く記憶に残るものです。

そんなことを肝に銘じてひとりひとり大切に施術していきたいと思うこの頃です。

ABOUT ME
ヴィッシュ吉田
JPMA日本理学手技療法協会 代表理事 フィットバランス療術学院 東京校学院長 株式会社ヴィッシュブレイン 代表取締役

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