テレパシック感性通信

情報の海で溺れて心を見失わないための力

日常を“気づきの瞑想”に変える5つの方法

日常のシーンを心に留める
私たちは日々、たくさんの出来事に囲まれて生きている。
日常生活の細部を意識しながら過ごすといろんなことが見え始める感覚になる。

朝の光の色彩、スマホの通知の瞬間的印象、人の声の質、食事の味の深み。
 
2022年の邦画、「ラーゲリより愛を込めて」の最初に、いつ戦死するかわからない状況で主人公の山本が子供たちと一緒に食事するシーンが印象的でした。
家族みんなで食卓を囲っているときに、山本が子供たちにこのように言いました。
 
「いいかい、しっかりと覚えておくんだぞ」
 
この何気ない家族との幸せなワンシーンをしっかりと記憶しておきなさい、と。
 
身近な人が亡くなると何気なく過ごした日々を思い出しますが、旅行とかイベント時という特殊な時間ではなく、何気ない、本当になんてことないワンシーンを思い出すんですね。不思議なものです。
 
普段はサササっと通り過ぎてしまうような、日常の軽い仕草や言葉。こんな、普通のワンシーンが実は記憶に残ったりします。
 
いつ、その記憶の宝庫に落とされるのかわかりません。「なんであの時のことをこんなに覚えてるの?」みたいな記憶の宝庫。その人は覚えていなくとも、妙に自分は覚えてしまっているあの宝庫です。
 
その一つひとつは当たり前すぎて「感じているようで感じていない」・・・はずだったのに、です。
 
気づかないまま流れていく時間が増えると、いつしか自分の“中心”を見失っていく可能性すらあります。そうすると、何をしても満たされず、心も身体もどこか落ち着かなくなるもの。無意識で過ごしすぎると見落としてしまうような感覚。
 
だからこそ、いま必要なのが「気づく力」だと思うのです。

これは何も特別なスピリチュアル的な能力ではなく、日常の中で、ほんの少し「今この瞬間」を感じること。感じようとすること。

こんな、〝意識的に意識する力〟それが、テレパシック感性です。つまり“心で感じ取る力”をほんの少し育ててみようとする試みなのです。
 
この気づく力は瞑想にも似ています。「無」ではなく、「有」の瞑想。日常生活を気づきの瞑想に変える5つの方法を提案してみます。

一、呼吸に気づく ― 心と身体をつなぐ第一のセンサー

呼吸は、最も身近な「無意識のリズム」です。

でも、忙しい時、人は呼吸を忘れるのです。仕事やスマホに没頭しているとき、多くの人の呼吸は驚くほど浅く、そして早くなります。
 
日常生活のほんの少しの隙間時間を活用して、静かに目を閉じてみてください。

「今、自分は息を吸っている」
「今、吐いている」
それをただ感じるだけです。
 
この単純な今の呼吸の気づきによって、思考のノイズが静まり、身体の中心に意識が戻ってくるように感じるはずです。
 
呼吸が早い=脳波はベータ波
呼吸がゆっくり=アルファ波
 
脳波が変われば、意識が鮮明になります。
 
整体の現場でも、呼吸に意識を向けてもらった瞬間、筋肉のこわばりや自律神経の乱れがすっと整う人が多いです。呼吸は、心と身体をつなぐ“橋”であり、自分という存在を取り戻す入り口です。
 
あまりにも簡単すぎて見落としがちなのですが、メチャクチャ重要なのが、≪呼吸≫です。
 

二、姿勢に気づく ― 身体の声を聴くということ

姿勢は無言のメッセージ。
 
施術家という職業がらと言ってしまえばそれまでですが、思考や繰り返す言葉でカラダは不均衡を起こそうとします。
 
ロダンの「考えるひと」って、身体は硬そうですよね。しかも踏んばっていますし(笑)

猫背になっている時、気持ちは沈みがちになりますし、胸を張って立っている時は、自然とエネルギーが高まってくる感じがしませんか?
 
しばしば、「気分が姿勢を作る」みたいな話がありますが、実際はその逆もまた真実です。「姿勢は気分をつくる」のです。
 
姿勢が心を変え、意識も変えます。
 
先日、トランプ大統領と高市首相が会った式典?時の米軍の動きと姿勢はものすごく華麗でした。〝大事な場面〟での心と意識の作用で身体はあそこまでキレッキレに動くのだ、と痛感しました。
 
日常では、仕事中やスマホ操作の合間に、「今、自分はどんな姿勢をしているだろう」と問いかけてみるだけで変化します。この意識を忘れないでいることが気づく力です。
 
背筋を軽く伸ばすだけで、呼吸の通りが変わり、意識がふっと明るくなるのが分かるはずです。
 
身体は常に“今の自分”を教えてくれようとしているということ。
 
それに気づくことが、自己とのテレパシーを取り戻す行為であるのです。他人に敏感になる前に、自分自身に敏感になるということが何より健康に近づく一歩です。

三、感情に気づく ― 抑えず、観察する勇気を持つ

怒り、焦り、不安・・・いま、世界がこんな想念で満たされています。

このような感情を「良くないもの」として押し殺す人は多いですね。しかし、それはまるで蓋をした鍋の中で蒸気を溜め続けるようなものです。

やがてどこかで破裂するかもしれません。大切なのは、「抑える」ことではなく「気づく」こと。

「今、自分は怒っているな」「焦っているな」「確かに不安を感じている」と、静かに自己観察してみるのです。といってもすぐに改善をしようなどとは求めないこと。ただ観察するだけで潜在意識は動き始めます。
 
ただ、始めはしっくりいかないかもしれません。なんせ、ただ観察するだけですから。なにも求めず、ただ観察するという意識を繰り返していると少しづづ自分の本心の認識力が高まります。つまり自分の反応パターンがわかってくるのです。
 
すると不思議なことに、その自分の感情であるはずのものが、少しずつ客観的な響きとしてわかるような気がしてきます。そして溶け合うというか、ある意味、「いい加減」にやわらぐのです。

気づくという行為は、感情を敵ではなく仲間に変える観察行為です。
 
それはまるで、荒れた海を上から見下ろすような感覚で、波に飲まれるのではなく、ただ波の存在を眺める傍観者のような感覚となります。これは、「自分には関係ない」というものではありません。

俯瞰するというこの距離感が、実は心の余白を生むんです。
 
その余白こそ、地球を変えることが出来なくとも、他者への思いやりや、心からの“優しさ”が自然に流れ込むスペースとなるわけです。
 
地球は癒せませんが、半径2メートルくらいはイケるはずです(笑)

四、人との会話に気づく ― 言葉の裏の“波”を感じる

会話とは、言葉を超えた見えない“波”のやり取り。
 
どれだけ正しい言葉を選んでも、そこに“響きのようなもの”がなければ、心には届きません。なにか、「違う」と感じるはずです。
 
相手の話す内容よりも、「どんなエネルギーで話しているか」に自ら気づいてみようとする意識。

声のトーン、間、表情、沈黙。

その一つひとつに、相手の本音や感情が沢山宿っています。対話はまさに、テレパシック感性の実践の場なのですよね。
 
「この人は、今どんな気持ちで話しているのだろう?」そう感じ取ることができると、人間関係の中で無理な気遣いや誤解が減っていきます。
 
逆に、自分の心が乱れているときは、相手の波を正しく受け取れなくなる可能性もあり。だからこそ、「自分の波」をまずは整えることが人との対話において、重要だと感じるのです。

五、自然に気づく ― 宇宙との共鳴を取り戻す

外に出て、空を見上げる時間をつくっていますか?
 
僕は何とか施術の合間に換気も兼ねてベランダに出て、必ず空を見上げる習慣を作ってきました。これは自己整体です。自然のエネルギーは強力なのです。

雲の流れ、風の音、洗濯物の揺れ、太陽の光。

それらを感じる瞬間、自分もどでかい宇宙の一部で生きているんだ、と思い出します。やがて、どんなに嫌でも我々は、目の前のどでかい宇宙空間へ塵として還るのですから。
 
自然に“気づく”という行為は、自分という存在を自然界のリズムの中に戻します。忙しさや情報に飲み込まれている時ほど、自然の中での「気づき」は強い癒しと再生をもたらします。
 
だからこそ、段取りやタスク処理、あれをやらなければ、これをやらなければという雑念から定期的に離れ、自然界を体感するのです。自然界を観ているとそんなセカセカした気持ちが無くなりますから。
 
それは、頭で理解する「リラックス」とはまったく違うこと。魂のレベルでの自然界との共創感覚です。

大地の呼吸、空の静けさ・・・それらと自分の生命の振動が調和されたような感覚になるとき、呼吸はゆっくりと深くなっているはずです。当然、脳波も変化します。
 
家族みんなで食卓を囲っているときに、山本が子供たちにいったように、今度は自分自身に自然界のパノラマと共に「いいかい、しっかりと覚えておくんだぞ」と言ってあげてみてください。
 
細胞が生き返ります。

気づく力が、あなたの時間の感覚さえ変える

気づく力とは、特別な才能ではなく、誰にでも備わっている“感性”です。
 
それを意識的に使うかどうかの違いにすぎません。
 
呼吸に気づき、姿勢に気づき、感情に気づき、人の波に気づき、自然に気づく。
 
この五つの気づきが重なり合うと、日常生活そのものが「瞑想」になります。つまり、動きながら意識を整える“生きる瞑想”です。
 
外の世界を変えようとしても苦しくなるだけ。けれど、気づく力を磨けば、何も変えなくても世界の見え方が変わるのです。
 
テレパシック感性を意識することは、この「気づきの精度」を高めるための感覚トレーニングでもありますね。
 
自分の内なる波と、周囲の波が混和するとき、人は自然に、愛と直感が必要なんだと気付き、満足たるを知り、自然のエネルギーに満ちた生き方を取り戻せると思うのです。
 
今日からでもできますよ、まずはひと呼吸、そして「今、自分は何を感じているか?」それに気づくところから始めてみてください。怖がらず、抵抗せず、信頼を寄せて、自分を省みてくださいね。

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