
なぜ“感性”がカギになるのか
人と人との出会いにおいて、「初対面」という場面は誰にとっても少なからず緊張を伴うものです。
医療機器営業の現場でも、整体院における施術の場でも、出会いは「初対面」からはじまります。
医療機器営業の現場でも、整体院における施術の場でも、出会いは「初対面」からはじまります。
そして、日常のなかでふと生まれる会話のきっかけでも、「どうやって距離を縮めるか」は多くの人に共通する課題ではないでしょうか。(自ら孤立したい・・は別)
そんなとき、重要なのは“話術”でも“ネタ”でもなく、実は「テレパシック感性」です。
この感性とは、相手の言葉の裏にある気持ち、表情の陰にある想い、沈黙が語るメッセージをキャッチする力。言い換えれば、“感じる力”です。
どんなにスムーズな会話でも、心がつながっていなければ信頼は生まれません。逆に言葉がぎこちなくても、感性が通じ合えば、それだけで「また話したい」と思える関係が始まるものです。
感性とは「感じ取る力」である
ただの「感性」という言葉は芸術の文脈で語られることが多いかもしれません。しかしここで言う感性とは、特別な才能ではなく、誰もが本来持っている“人としてのセンサー”です。いつもの“テレパシック感性”のことです。
人間は言葉よりも先に「感覚」で他者を認識します。
「なんか、雰囲気イイネ」とか、「嫌な感じだわ~」みたいな。
あるいは、動物と目が合った瞬間に「優しい目してる」とか、「なんだか警戒されてるな」と感じるように、人と人との関係もまず“空気”や“波動”を通じて始まります。
初対面で打ち解けるためには、相手の様子に意識を向けることが大切です。
話の内容よりも、声のトーン、姿勢、目線、笑顔の出方といった“微細な情報”を感じ取り、俯瞰する。そしてその場の空気をとともに、自分自身の“在り方”を調律する。これは、会話のテクニックではなく、「在り方」の感性なのです。
「視線」と「間」の感性を意識する
視線のやり取りには、言葉以上の情報が詰まっていると思いませんか?
ジッと見つめすぎると威圧的になり、目を合わせないと不安を与える。相手にとってちょうど良い“視線の時間”を感じ取ることこそ、感性の役割ですね。
また、「間」も極めて重要な要素です。
話すタイミング、聞くときのうなずきの速度、沈黙をどう扱うか・・・これらはすべて“空気を読む力”に直結します。多くの人は、沈黙を「気まずい」と感じますが、感性が働いていれば、むしろその沈黙を“安心の余白”として活かすことが可能となります。
間≪ま≫を楽しむ感覚とでもいうのでしようか。
例えば、ノート。ギッシリ詰まった字が並んでいるより、少し改行スペースが多いくらいの方が次から次へと自然に読んでしまえるものです。
このように言葉の応酬よりも、呼吸のリズムや声のスピードを揃えること。それだけで、「この人とは心地よく話せる」という無意識の安心感が生まれ、距離は一気に縮まるのです。
共感ではなく「共振」する
最近では「共感力」がビジネススキルとして語られることが多くなりました。
しかし、初対面においては、共感しようとするあまり、逆に“わかったふり”になってしまうこともあります。
そこで意識したいのが「共振」という感性です。
これは、相手の言葉や気持ちに“調和して振動する”ような感覚。
たとえば、相手が「最近ちょっと疲れてて……」と言ったとき、「わかります!大変ですよね!」と言葉で即、反応するのではなく、
まずは、自分の心の奥で「この方、今ほんとに疲れてるんだなぁ」と静かに波動を合わせて感じようとする。それだけで、相手は“深く理解された”という実感を持つものです。
しかし、感受性が強すぎる人は、そのまま、疲れに引っ張られないようにしないといけませんね。繊細な人は要注意なんです。
言葉ではなく、心の反応そのものが何となく、雰囲気や印象などでやんわりと伝わる。これが「感性による共振」です。

声のトーンとリズムで場の空気を整える
話すときの「声」も、感性が宿る大切な要素です。声の高さ、速さ、抑揚・・・これらは相手の無意識に大きな影響を与えます。
たとえば、初対面で早口だったり、大きな声で畳みかけるように話すと、相手は「落ち着かない」「なんとなく緊張する」と感じてしまいます。
逆に、ゆったりとしたペースで、柔らかい声で話せば、「この人といると安心する」と感じてもらえます。
ここでのポイントは、「相手が安心する声」を自分の中から選びとるテレパシック感性です。
これはマニュアルでは学べません。
自分の声がどのようにこの場≪空間≫に響いているのか、相手の表情がどのように変化しているのかを感じ取りながら、自然に“チューニング”していく。
それが場の空気を整え、信頼を育む土壌になります。
う・・・ん、なんか伝わりますか?
感性は“開く”ことで使えるようになる
感性を使おうと思っても、心が緊張していたり、不安でいっぱいだったりすると、うまく働きません。感性とは、開かれた心と静かな意識の中でこそ育まれるものです。
「An open heart and quiet consciousness」~開かれた心と静かな意識~
⇈自分の内奥を静かに覚醒させて、オープンマインドにする、みたいな感覚。
したがって、とにかく「自分自身の心を開くこと」が大切です。
それは、相手を恐れないということ。ジャッジしないということ。
当たり前だけど「眼前の人を大切に思う」という気持ちを持つということ。
そして、自分の中にある“優しさ”や“興味”を相手に向けること。
つまりは、
「あなたとわたし」ではなく、「わたしとわたし」の感覚になろうとすること。
それだけで、テレパシック感性は自然と働き出します。
ちなみに、この感覚が施術家として、触診や施術に大いに役立つのです。
まとめますと、
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初対面の人と打ち解けるのは、話のうまさではなく「感じる力」にかかっている
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視線のやり取り、間の取り方、声のトーン、そして共振する心──これらを育てることで、どんな相手とも深くつながることができるようになる
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テレパシック感性は、誰もが持っている“人間本来の力”。
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「無言の伝播」を信じて、開かれた心と静かな意識を意識する
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静かに、でもしっかりと、相手と積極的に向き合ってみる。
きっと、思っている以上にすぐ、心の距離は近づきます。

