コロナ禍の真っただ中に読んだ本のはなし。
「生まれ変わりを科学する」2021年11月に出版された、大門正幸さんの著作。「生まれ変わり」の現象を科学的な視点から検証しようとする試みを感じられた。
更に新型コロナウイルス?ワクチン?の影響で「死」がより身近に感じられるようになった現在、死後の世界や魂の存在について初めは猜疑心のカタマリだった著者があるきっかけから深く考察しているのが逆張り的でよかった。
あなたは生まれ変わりを信じますか?
アメリカでは、宗教的信念やスピリチュアリティが多様であるため、生まれ変わりを信じる人々の割合も幅広いらしい。例えば、Pew Research Centerの調査によれば、アメリカの成人の約29%が「魂が肉体を離れて別の身体に生まれ変わることができる」と信じているということだ。
日本では、仏教や神道といった伝統的な宗教が生まれ変わりや輪廻の概念を包含しているせいか、一定の信じる人々が多い気がする。僕の周りではほぼ100%だけど(笑)
世間一般的には、30%以上の日本人が何らかの形で生まれ変わりや輪廻転生を信じているというデータもあった。
著者は、過去生記憶を持つ子どもたちの具体的な事例を通じて、輪廻転生の可能性を探り続ける。バージニア大学のイアン・スティーヴンソンの研究を引用し、世界中の生まれ変わり事例を分析していて、その内容は驚愕に値した。
この書籍は、「魂」や「霊」の存在を否定する科学的立場から始まり、様々な実例を通じて「死後の存続」や「意識の連続性」についての深い考察と理解、そして未来へのテーゼも内包している。
感 想
大門正幸さんの「生まれ変わりを科学する」から受けた感想は、人生と死についての深い思索を促すものだった。この本は、私たちが通常避けがちな「死」や「生まれ変わり」のテーマを、科学的なアプローチで解明しようとする勇気ある試みだと感じた。
未来とは、私たちが現世で何を選択し、どう生きるかによって形成されるというレッスン的要素が大きい。もし生まれ変わりが本当に存在するなら、私たちの選択にはさらに深い意味が加わるということ。
過去生記憶を持つ子どもたちの話を読むことで、自分自身が何世代にもわたる魂の連鎖の一部である可能性を感じざるを得ない。これは、自分の行動や人生の目的に対する新たな視点を提供してくれたと思う。
肉体は滅びても、意識は死なないんだ。
特に印象的だったのは、ある人を銃殺した犯人の男が、また別の人に銃殺された瞬間のはなし。
この男は人を殺すことを何とも思っていなかった殺人鬼だ。それが撃たれてこの世から離れるときに、今までの自分の人生が高速のパノラマで映し出されたという。
そのシーンで自分が銃で人を撃ち殺してしまった相手の念が強烈に伝わってきたということ。相手のまだこの世に生きていたいという念、そして家族との別れの悲しみが全部雪崩のように自分にも伝わってきたというのだ。
そして、殺人鬼は奇跡的に生きながらえた。つまり生き返った。そしてこの体験を思い出した時に、自分も同様に悲しくなり、恐怖に包まれ、絶対に人を殺してはならないんだ、と悟ったという。
生まれ変わりが示唆する「来世選択」の概念。ひとつひとつ、この現世での体験や経験は絶対的に保管庫に残っていて消えない。全部やったことは記憶されていて、それがレッスンとなる。
どれだけ稼いで成功したか、などは生まれ変わりにおいてなんのレッスンにもならない。倫理的な生き方や他者への配慮や愛、いたわる気持ち、貢献や奉仕、更に環境問題への取り組みなど、現在の行動が未来の自分にどのように影響を及ぼすかを考えさせられた。
この本を読むことで、「死」を恐れるのではなく、生きることの本質や、私たちが互いにつながっているという感覚はとても大切なことなんだ。
「万物一体感」とでもいうのか、この世もこれからの世も一切、分離など無いのかもしれない。
未来は不確かだけれど、もし生まれ変わりが真実なら、私たちの魂は時間と空間を超えて永遠に続く可能性があるという希望を与えてくれた。
それは、僕らが今日、この現在の瞬間をより豊かに、そして責任を持って生きるための動機付けにしなきゃいけないね。
とにかく、人生観や死生観に新たな深みを加えてくれたよ。