活動記録

施術家 吉田正幸のブログ

筋膜は歪みを正します

おおよそ、慢性的な痛みは〝筋膜〟が影響しています。

筋膜は筋肉を包む膜で、細かいところでは筋繊維を、大きなところでは身体全体を包む膜。それらの筋膜はある一定の法則に従い連結しあい3次元的なバランスを保っている。そのため、筋膜の一部に機能障害が起きると、離れた部位の機能に影響を及ぼすことが多々あるのです
 
例えば、ハムストリング(太腿の後ろ側)の筋肉のカタマリや慢性的な痛みはお尻の筋膜をリリース(癒着を解除)するとあまりの早さで緩解するので施術を受けている方は驚きます。次にお尻の筋肉のカタマリはどこで緩解するのかというと、肩甲骨他の筋膜リリースで緩みます。
 
このように施術を繰り返していくと、そのたびに施術を受けている方は驚きとともに「カラダって繋がっているんですね!」と悟ってくれます(笑) 施術後に筋膜の仕組みをお伝えすればそこでググっと腑に落ちてくれるわけですね。
 
自分自身も腑に落ちたきっかけがあります。かなり前の話になりますが、上海中医薬大学・人体解剖課程を修了したときに、筋肉や骨、関節、靭帯から腱までは見て取れるが、筋膜だけはみて取れないということです。そして、筋肉や骨、関節、靭帯などに対してすべて関わっているのが、「筋膜」なのです。
 
筋膜が深く関わり、そしてその筋膜がとても重要だとカラダの中をのぞいて初めて腑に落ちたのです。更に施術を繰り返していくうちに、筋骨格系の痛みの諸原因は、ほぼこの筋膜にあるということが分かりました。つまり痛みを感じるところは主に筋膜なのです。

痛みの受容器⇒筋肉&骨⇒✕
痛みの受容器⇒筋膜⇒〇

そして、筋膜は筋肉や臓器を保護し、それらを適切な位置に保持します。筋膜同士が滑ることで、筋肉がスムーズに動き、それが全身に広がっており、体の各部分を連結しているのです。これにより、体の動きが連動します。

そもそも筋膜はコラーゲンやエラスチンなどの繊維で構成されており、強度と柔軟性を持っています。筋膜の問題(例えば、筋膜の緊張や癒着)は、痛みや可動域の制限につながります。つまり、「歪んでいる」状態を作り上げます。

したがって当方主催の整体スクール「フィットバランス療術学院」では、開校当初より、ひたすら筋膜へのアプローチを中心に細かく教えてきました。2004年の寺子屋から時代からです。


情報化時代には「筋膜」と検索すればすぐに様々な情報が出てきます。しかしググるという言葉が無かった時代には、鍼灸師や柔整師など国家資格を持ったすでに施術を業としている生徒さん以外はほぼ誰も知りませんでした。
〝整体未経験者〟にとっては「筋膜??聞いたことないです。」という方がほとんどだったのです。

今でこそすぐに理解できる「筋膜アプローチ」。当時は革新的で他の整体やカイロプラクティックの学校に通っていた人が興味を示して当学院に見学者が詰め掛けてきたこともあったほどです。

あたりまえですが、施術家として整体の技術はとても重要です。しかし、患者さんにとっては痛みがとれて楽になりさえすれば、どんな療法でも良いと思う方がほとんどです。とにかくカラダの痛みや不調が取れれば良いのです。

ですから、患者さんは細かい説明を望まない方も多いのです。しかし、ネットの時代となってからはかなり慎重に施術家を選ぶようになりました。その方がいいです。

この筋膜という構造の理解と筋膜へのアプローチがいかに重要なのかということを少しでも理解していただければ幸いです。

結局のところ、どのようなアプローチをして、どのような結果を生むのかということをキチンと説明してくれる整体師を選んでくださいね。しかも自分で納得しながら通うことこそ、自然治癒力は更に上がります。
筋膜療法

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結果が良ければ、精神的な緩和も得られます。
まさに「双方よし」ですね。
カラダとココロはしっかりとコネクトしています。

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。